2006.10.27 Friday
日光東照宮(東照神君家康公霊廟)

日光東照宮は江戸幕府を開いた徳川家康が、東照大権現として祀られる神社。
三代将軍家光の時代に建替えられた豪華絢爛な社殿群は、江戸時代初期の文化の粋を集めたもので、境内で目につく建物のほとんどが、国宝か国の重要文化財。1999年には世界遺産にも登録されている。
東照宮境内の建物に施された彫刻類の多さには、とにかく圧倒される。一つ一つを細かく見はじめたら、それこそ時間がいくらあっても足りなくなる。
有名な「見ざる言わざる聞かざる」(写真下右)や、「眠り猫」などは、数ある彫刻類のうちの、ごく一部に過ぎない。うっかりすると気付かずに通り過ぎてしまいかねないので注意が必要だ。(「見ざる言わざる聞かざる」があるのは、神厩という、境内の中では特に地味な建物(写真上左)。しかも全部で8面ある彫刻のうちの1面なので見落としやすい。)


実際、このような美術的な面だけを見ても、充分に堪能することはできる東照宮ではあるのだが、本来、宗教施設として建てられた神社を、宗教的な面を抜いて見ていたのでは、見逃す部分は大きい。
東照宮の成立は、家康自らの遺言によるものといわれる。遺言の内容は、死後一旦は、久能山(現在の静岡県清水市内)に葬った後、一周忌後に改めて日光山に勧請してもらって、八州の鎮守となろうというもので、事実、死後の家康は、遺言どおりに久能山に葬られた一年後、日光に改葬され、神として祀られることになった。
現代の地図上で確認すると、久能山から富士山を結んだ直線を延長した先は、ぴったり日光に一致する。さらに、日光は江戸城のほぼ(実際には角度にして7度ずれる)真北に位置し、北極星を背に江戸を守護する、いわば、霊的(宗教的)江戸防衛の拠点となっている。(東照宮表門から参道に続くラインは、正確な南北を結ぶ線から7度ずれていて、江戸城へまっすぐ向っている。)
といった具合に、地図上の位置関係を見れば、家康の遺言は単なる気まぐれや思い付きではなく、必然的・計画的に自らを江戸城(を含む関八州ひいては日本)鎮守の神とする内容となっていることが分かる。

こうした、東照宮の隠されたすばらしさ(文化的な面のみならず、宗教的(・呪術的?)な面においても、当時の技術の粋を集めて造られたものであるということ)を知る上で、非常におススメなのが以下の2冊。
日光東照宮 隠された真実―三人の天才が演出した絢爛たる謎 日本史の旅
宮元 健次
日光東照宮の謎
高藤 晴俊
日光と言う場所の歴史、建物の配置・方位などなど、宗教的・歴史的な背景・仕掛を知った上で訪れる東照宮は、ただ観光で来ただけの時とは違って見え、楽しさ倍増。東照宮へ行く前には、是非とも一読をお勧めしたい2冊だ。
【日光東照宮】
所在地:栃木県日光市山内
地図
拝観時間:(4月〜10月)8:00〜17:00
(11月〜3月)8:00〜16:00
拝観料:大人1,300円 小中学生450円
※二社一寺共通拝観券利用の場合は、坂下門より先(眠り猫・回廊・奥宮御宝塔など)の拝観料が別途必要(大人520円 小中学生370円)
→二社一寺の共通拝観券など日光観光料金詳細
